社会健康医学とは

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専攻の概要

社会健康医学系専攻の使命は、医学・医療と社会・環境とのインターフェースを機軸とし以下の活動とその相互作用を通じて、人々の健康と福祉を向上させることである。


○教育(Teaching)

社会健康医学に関わる実務、政策、研究、教育において専門的かつ指導的役割を身につける幅広い教育を行う。

○研究(Research)

人々の健康に関わる経済、環境、行動、社会的要因についての知識を深め、新しい知識と技術を生み出す。

○成果の還元(Translating Research into Practice and Policy)

その成果を健康・医療に関わる現実社会の実践方策と政策に還元する。

○専門的貢献(Professional Practice)

専門の知識と技術を持って、個人・組織・地域・国・世界レベルで貢献する。


健康に関する問題は非常に広い範囲にわたっており、本専攻の教員、学生のテーマや専門性も多岐に渡っている。本専攻には、定量的評価に不可欠な疫学、統計に関する基礎領域から、ゲノムや環境とのかかわり、医療の質の評価や経済的評価、倫理的側面、社会への健康情報の発信、健康増進と行動変容、社会とエイズ、健康政策と国際社会との関わりなど、さまざまな教育・研究を推進する分野が設置されている。

アドミッションポリシー

<専門職学位課程>

本課程は、将来、保健・医療・福祉分野における専門職あるいは教育研究職につくことを希望する者が、「社会における人間」の健康に関わる問題を探知・評価・分析・解決するために必要な知識、技術、態度を身につけることを目的としている。勉学の対象となる学問分野は、自然科学から人文科学にわたっていることから、あらゆる分野の出身者で、国内外の保健・医療・福祉分野で高度専門職業人あるいは教育研究者としての活躍をめざす意欲あふれる者の応募を歓迎する。


<博士後期課程>

本課程は、「社会における人間」の健康や疾病に関わる問題を探知・評価・分析・解決するために必要な学術課題を考究することを目的としており、課程修了者には、将来、国内外の保健・医療・福祉分野における高度な教育・研究に携わることが期待される。研究対象となる学問分野は、自然科学から人文社会科学にわたり広範な学際性を有することから、あらゆる分野の出身者で、上記目的を遂行しうる意欲あふれる者の応募を歓迎する。

カリキュラムポリシー

<専門職学位課程>

専門職学位課程は、「社会における人間」の健康に関わる問題を探知・評価・分析・解決するために必要な知識、技術、態度を備えた、保健・医療・福祉分野における専門職につく多様な人材を養成することを目的として、基礎、応用、実践からなる系統的な教育を行う。具体的には、「基礎教育」では、社会健康医学分野のあらゆる専門家に必要な、コア領域(疫学、医療統計学、環境科学、行政・管理、社会科学)の教育を行い、非医療系出身者には、加えて、医学の基本知識を養うために、基礎医学、臨床医学の概論的教育を行う。これらの基礎教育以外に、さらに「応用教育」として、先端医科学から人文社会科学にわたる多様な選択科目を用意し、応用性、学際性の高い教育を提供することにより、高い素養を備えた専門家を養成する。「実践教育」では、課題研究を全員に課し、研究の企画・倫理審査・実施・発表を経験する中で、知識を統合的に理解させるとともに、専門家に必要な企画力、プレゼンテーション能力、倫理性を涵養する。

こうした系統的な教育を行う一方で、社会健康医学分野において、特に専門性の高い分野の専門家を養成するために、以下の特別コースを開設し、その養成に努める。
◇1年制MPHコース
◇臨床研究者養成コース(臨床情報疫学分野)
◇遺伝カウンセラーコース(遺伝医療学分野)


<博士後期課程>

博士後期課程は、「社会における人間」の健康に関わる問題を探知・評価・分析・解決するために必要な知識、技術、態度を備え、保健・医療・福祉分野での高度な学術研究を実施できる人材を養成する。本学専門職学位課程を卒業した学生には、同課程で修得した知識・技術を基盤に、それぞれの目指す専門分野に必要とされる、より高度な知識・技術を教育し、国際的に通用する研究者を育成する。本学専門職学位課程卒業ではない学生に対しては、専門職学位課程のコア領域(疫学、医療統計学、環境科学、行政・管理、社会科学)の修学を課し、また、非医療系出身者には、さらに、基礎医学、臨床医学の概論的教育を課すことにより、格差のない人材育成を図る。

将来構想

日本の医学においては、旧来、疫学や医療統計学をはじめとする方法論的基盤が脆弱でかつ総合牲を欠き、社会医学のみならず臨床医学の研究が立ち遅れてきたという歴史が存在する。今後、社会健康医学系専攻においては、日本の現状に即してその組織と機能を戦略的に形成していくとともに、学位取得後の専門職としての受け皿やポジションを確立することが求められている。具体的には、次のような観点からさらなる整備をしていくことが望まれる。

① 社会健康医学系専攻は、医学・医療と社会のインターフェイスであり、疾病の予防、健康の増進と、より良質で安全かつ高度な医療の供給という社会の要請にこたえる必要がある。そのために、日本におけるヘルスリサーチの方法論および学術的成果産出の拠点としての位置をさらに高めるとともに、社会・環境医学研究、臨床研究、医療の運営に関する研究や参画などを、研究科内、京大病院内、学内、他の学術機関、地域、行政など様々なレベルで連携を深めつつ、共同の取り組みをも活性化しながら、積極的に実施していくべきである。

② また、今後の人材育成においては、国際社会あるいは日本の医療・健康政策決定をリードし得る人材輩出を促進することが重要であり、大学院医学研究科および医学部学生全体を対象とした実践性及び国際性の高い教育を推進し、多様な人材育成を図る必要がある。そのためにも、MD-MPHコース、 MPH-PhD (DrPH)コース等の導入なども行うべきである。